2014年5月24日土曜日

とあるクァンの物語

前々回前回の記事を見てからご覧ください。

ロッカールームにて

エーテルでフル(6)覚醒してトーナメント5段を快調に戦っていたクァンだった。

トーナメントを終え、今回の戦いぶりを思い返していた。

クァン「今回も道中は安定して戦えたな。だけどやっぱりボス戦になるときつい。怪我をすると、一気に動けなくなってしまう。ま、これが俺だから仕方ないな」

そう、彼の並外れた集中力は、体力全快というごく限られた状態でのみ発動するのであった。

その時後ろから、彼の肩をポンとたたくものがいた。

フロント「どうだい、クァン。調子のほうは」

トーナメントやイベント用のデッキ構成を考えている、フロントのメンバーだった。

クァン「おかげさまで、快調ですよ。エーテルもずいぶん頂いて、目をかけてもらってありがたく思います」

クァンは笑顔で答えた。本心だった。自分に期待をかけてくれているというのが伝わっていたし、それがうれしくもあった。

フロント「しかしボス戦では調子が悪かったようだね」

クァン「やはりダメージを食らうときついですね。ボスのターン数が遅くてかぶっていると助かるんですけど」

フロント「道中もパネルが来ないと、ダメージ食らうよな。その後はいつもダメになるな」

クァン「パネルが来ないとどっちみち負けですからね」

いつもと違うフロントのものの言い方に、クァンは少々不安を感じ始めていた。

フロント「いや、7ターン抜けが出来るようになった今、1ターンぐらいの足踏みで済むなら充分ポイントは稼げるんだよ」

クァン「そう言われても、これが俺ですから。今後も精一杯がんばりますよ」

大きく腕を開き、力強さをアピールするクァン。

やれやれというように首を振ってから、フロントは口を開いた。

フロント「クァン。この際だからはっきり言おう。お前、5段デッキから抜けろ」

まさかの戦力外通告にクァンは言葉をなくした。

フロント「しかもお前たち、赤ハチ、黄魚、赤ハチを撃ち洩らしたろ。あれが倒せないんじゃ意味がない」

クァン「あれは俺っていうより、アスモデウスやシラヌイが悪いんじゃ・・・」

うろたえながらクァンは答えた。

フロント「彼らに聞いたら、クレアがいたらがんばれるって言うんだ。そこで誰と入れ替えるのかって話なのだが・・・」

フロント「アスモデウスとシラヌイはウチのエースだ。抜けたら7ターンは考えられない。非力ながらもイングウェイはパネル変換があるから、安定にずいぶん役に立っている」

フロントは言葉を続けた。

フロント「後はバルバラだが、彼女はパネルブーストを持っているし、常にASは強力だ。ところがお前は、ちょっとやられただけで弱くなってしまう。それでも男か?」

クァンには答えられなかった。

フロント「悪いが早いところ荷物をまとめて出てってくれ。みんながクレアを待っているんだ」

そう言うと、ロッカールームからフロントは出ていった。クァンはロッカーをこぶしで叩き、ひざから崩れ落ちた・・・。

--やがて立ち上がり、ロッカールームから出ると、見覚えのある顔があった。

クァン「アスワド、飲むの付き合ってくれないか・・・?」

アスワドはクァンの肩に手を回した--。

クァン(42)5段デッキ退団。

新5段デッキ

クレアを入れて、さらに安定。

コストも軽いし、ダメージを受けてもいいし、道中・ボス戦ド安定です。

エーテル?そんなもの必要なかったんだよ!まったく!

2 件のコメント:

  1. すごく楽しい物語でした。それにしてもホントパネルで左右されますよね。

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  2. いつも拝見させていただいてたんですが、一番おもしろかったです。
    こんなことあるんですね。

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