ロッカールームにて
エーテルでフル(6)覚醒してトーナメント5段を快調に戦っていたクァンだった。
トーナメントを終え、今回の戦いぶりを思い返していた。
クァン「今回も道中は安定して戦えたな。だけどやっぱりボス戦になるときつい。怪我をすると、一気に動けなくなってしまう。ま、これが俺だから仕方ないな」
そう、彼の並外れた集中力は、体力全快というごく限られた状態でのみ発動するのであった。
その時後ろから、彼の肩をポンとたたくものがいた。
フロント「どうだい、クァン。調子のほうは」
トーナメントやイベント用のデッキ構成を考えている、フロントのメンバーだった。
クァン「おかげさまで、快調ですよ。エーテルもずいぶん頂いて、目をかけてもらってありがたく思います」
クァンは笑顔で答えた。本心だった。自分に期待をかけてくれているというのが伝わっていたし、それがうれしくもあった。
フロント「しかしボス戦では調子が悪かったようだね」
クァン「やはりダメージを食らうときついですね。ボスのターン数が遅くてかぶっていると助かるんですけど」
フロント「道中もパネルが来ないと、ダメージ食らうよな。その後はいつもダメになるな」
クァン「パネルが来ないとどっちみち負けですからね」
いつもと違うフロントのものの言い方に、クァンは少々不安を感じ始めていた。
フロント「いや、7ターン抜けが出来るようになった今、1ターンぐらいの足踏みで済むなら充分ポイントは稼げるんだよ」
クァン「そう言われても、これが俺ですから。今後も精一杯がんばりますよ」
大きく腕を開き、力強さをアピールするクァン。
やれやれというように首を振ってから、フロントは口を開いた。
フロント「クァン。この際だからはっきり言おう。お前、5段デッキから抜けろ」
まさかの戦力外通告にクァンは言葉をなくした。
フロント「しかもお前たち、赤ハチ、黄魚、赤ハチを撃ち洩らしたろ。あれが倒せないんじゃ意味がない」
クァン「あれは俺っていうより、アスモデウスやシラヌイが悪いんじゃ・・・」
うろたえながらクァンは答えた。
フロント「彼らに聞いたら、クレアがいたらがんばれるって言うんだ。そこで誰と入れ替えるのかって話なのだが・・・」
フロント「アスモデウスとシラヌイはウチのエースだ。抜けたら7ターンは考えられない。非力ながらもイングウェイはパネル変換があるから、安定にずいぶん役に立っている」
フロントは言葉を続けた。
フロント「後はバルバラだが、彼女はパネルブーストを持っているし、常にASは強力だ。ところがお前は、ちょっとやられただけで弱くなってしまう。それでも男か?」
クァンには答えられなかった。
フロント「悪いが早いところ荷物をまとめて出てってくれ。みんながクレアを待っているんだ」
そう言うと、ロッカールームからフロントは出ていった。クァンはロッカーをこぶしで叩き、ひざから崩れ落ちた・・・。
--やがて立ち上がり、ロッカールームから出ると、見覚えのある顔があった。
クァン「アスワド、飲むの付き合ってくれないか・・・?」
アスワドはクァンの肩に手を回した--。
クァン(42)5段デッキ退団。
新5段デッキ
クレアを入れて、さらに安定。
コストも軽いし、ダメージを受けてもいいし、道中・ボス戦ド安定です。
エーテル?そんなもの必要なかったんだよ!まったく!
すごく楽しい物語でした。それにしてもホントパネルで左右されますよね。
返信削除いつも拝見させていただいてたんですが、一番おもしろかったです。
返信削除こんなことあるんですね。